診療内容
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症
Osteoporosis
加齢や薬の副作用などによって骨密度が低下する病気を「骨粗鬆症」といいます。骨粗鬆症になっていてもすぐには症状が出ないため、自分ではなかなか気付くことができません。骨粗鬆症が進行すると骨がもろくなり、重いものを持ち上げる、転んで手をつく、くしゃみをする、などの大きくない負荷や衝撃で骨折してしまうことがあります。
加齢による女性ホルモンの減少とかかわりが深いため、更年期にさしかかる前から早めの骨密度検査をお勧めします。
骨粗鬆症治療の目的は骨折を防ぐことにあります。食事療法、運動療法、薬物療法を平行して行い、骨密度を高めて骨折を予防しましょう。
このような症状がある場合はご相談ください
背中や腰が曲がる
身長が縮んでくる
背中や腰が痛む
腰痛で受診した際に、骨粗鬆症と診断されることも少なくありません。
また、初期には、痛みがない場合があります。
骨粗鬆症は徐々に進行していくため、自覚症状がなくても、予防や早期発見に努めていく必要があります。
高齢の方であれば足の付け根の骨折や背骨の椎体骨折が原因で、介護の必要な生活になってしまうこともあります。
また背骨の変形で前かがみの姿勢となると内臓が圧迫され、胃腸の機能が低下することもあります。
骨粗鬆症の検査方法
問診
骨粗鬆症に関する質問があります。
気になっている症状に関すること以外にも、閉経時期や病歴、食事や運動、生活習慣に関することなどをお伺いすることがあります。
骨密度検査
骨密度は、骨の強さを判定するための指標で、骨密度検査では骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定します。
DEXA法、超音波法、MD法などの検査法があります。当院では最新型の精度の高い骨密度測定装置(DEXA法)を導入しております。検査はレントゲン室で横になっていただいた状態で行います。腰椎と股関節が検査部位となりますが、所要時間は10分程度で、通常その日のうちに結果をお知らせいたします。
※DEXA(デキサ)法とは
DEXA法は、高低2種類のX線を測定部位に照射することにより、その透過度をコンピュータで解析し、骨量を調べる方法です。この方法では骨量を単位面積で割った値で算出し、骨密度として表します。
測定する骨は、主に腰の骨、太ももの付け根部分の骨です。短い時間で済むうえ誤差が小さく、放射線の被爆量も少ないため、安全性に優れるというメリットがあります。このためDEXA法は現在、骨量測定における標準的な検査法として重視され、骨粗鬆症の精密検査や治療の経過観察、また骨折リスクの予測において非常に有用です。
レントゲン検査
主に腰椎(背骨)のX線写真を撮り、椎体骨折や変形の有無、骨のX線透過度等を確認します。
骨粗鬆症と他の病気を区別するためにも必要な検査です。
骨代謝マーカー検査
血液や尿によって骨代謝マーカーを調べることにより、骨吸収と骨形成のバランスがわかります。このバランスが崩れると、骨は弱くなります。また、骨吸収を示す骨代謝マーカーの高い人では骨密度の低下速度が速いため、骨密度の値にかかわらず骨折リスクが高くなっています。
身長測定
骨粗鬆症になると身長が縮みます。一般的には、25歳の頃の身長と比べてどのくらい縮んでいるかを調べます。25歳時より4cm以上低くなっている場合は、それほど低くなっていない人と比べ、骨折する危険性が2倍以上高いという報告があります。
骨粗鬆症の予防と治療
予防
- 骨粗鬆症は予防することが大切な病気です。
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転ばないようにする
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カルシウムを十分にとる
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ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムをとる
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運動、日光浴をする
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適量のタンパク質をとる
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禁煙し、アルコールは控えめにする
治療
主な治療法
内服薬や注射等による治療を行います。
骨折が生じた場合は、それに応じた治療が必要です。
閉経後の女性には、整形外科での定期的な検診をお勧めします。